シーバー病/踵骨骨端症

Sever's disease

シーバー病/踵骨骨端症

シーバー病とは?

シーバー病とは、10歳前後の小児期に発症する疾患です。踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)ともいい、成長期の子どもの踵骨(かかとの骨)の成長部分(骨端)に炎症が起こる疾患がおきやすいです。成長期の子どもに多く発症し、特にサッカーや野球などのスポーツをしている子どもに多いとされています。主に踵に痛みが生じ、痛みが強くなると運動を制限することがあります。

シーバー病の原因は?

シーバー病の原因は、踵への過剰な負担と考えられています。踵への負担として、スポーツなどによる踵への直接的な負担、アキレス腱の硬さや扁平足・凹足などのアーチ障害によるものなどがあります。

症例

シーバー病の検査には、以下のようなものがあります。

X線検査: 踵骨や骨端線の異常を確認するために使用されます。

超音波検査:踵骨やアキレス腱付着部などを直接観察し、液貯留や炎症の程度、骨棘などを調べます。

CT検査:CTにてより詳細に骨や骨端線の状態を把握することが出来ます。

MRI検査: MRIでは、骨・軟骨・骨端線やアキレス腱などの軟部組織の炎症を詳細に調べることができます。血液検査: 血液検査は、他の病気を除外するために行われることがあります。

骨密度検査: 骨の脆弱性を評価するために使用されることがあります。

シーバー病(踵骨骨端症)が進行した場合のリスク

シーバー病またはシーバー病による踵骨骨端症が進行すると、痛みや足の疲労感、歩行困難などの症状が強くなり、踵の外側や足底に腫れや炎症が起こることがあります。また、骨端部の骨折や踵骨の変形が生じる場合もあります。重症化すると、足関節の関節炎や足の動かしにくさが生じることがあります。治療が適切に行われない場合には、慢性的な足の痛みや歩行困難、障害を生じることがあるため、早期の治療が必要です。

シーバー病(踵骨骨端症)の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

装具療法:関節や骨の負担を軽減する目的で医療用装具(インソール、短下肢装具)を作成して骨格異常を是正します。体重を支えるため硬度の高い(固い)装具が必要になります。

薬物療法:痛みを和らげるために、痛み止めや抗炎症薬を使用することがあります。

体外衝撃波治療:体外衝撃波療法(ESWT: Extracorporeal Shock Wave Therapy)は、超音波のエネルギーを利用して、体外から皮膚や筋肉を通じて、患部の組織に高周波の衝撃波を送り込む治療法です。踵骨骨端症の場合は自費治療になります。骨端線早期閉鎖のリスクがあるため、通常よりもエネルギーを落として施行します。 →詳細はこちら

LIPUS治療:LIPUSは、超音波音波療法の一種で、低強度の超音波を照射することによって骨の修復を促す治療法です。疲労骨折や骨折後の骨の治癒を40%程度早めるために使用されることがあります。LIPUSは非侵襲的で、一般的に安全性が高いとされています。痛みを伴いません。

再生医療:PRP療法や培養上清エクソソーム療法による炎症の緩和と組織修復の改善ができる場合があります。(自費診療のみとなり、標準治療で改善されないケースでのみ適応)

手術療法

日本では基本的に手術はおこなわずに保存的に治療することが多いです。アメリカでは踵骨の骨端部を除去し骨端線を閉鎖させる手術などが選択されることがあります。

リハビリテーションによる改善効果

シーバー病は、踵(かかと)部に負担が過剰に加わることが発症の要因の一つと考えられています。踵に過剰な負担が加わる原因として、運動の量が多すぎるなどがありますが、それ以外にも、足や膝、股関節などの柔軟性の低下、筋力の低下やアンバランス、足の機能の低下や扁平足など足の構図の問題、運動のフォームや方法なども挙げられます。そのため、リハビリテーションでは、踵に過剰な負担の原因となりやすい身体的な機能の低下や、運動の方法などを見つけ、ストレッチや筋力強化トレーニング、動作の改善などのプログラムを実施して、踵の負担を減らし、痛みの軽減や、痛みが強くなることを予防することを目指します。

日常でできる予防対策

過剰な運動を避ける: 長時間のランニングやジャンプ、突然の運動開始は踵の負担を増やす原因となる可能性があるため、適度な運動量を心がけましょう。

適切な靴の選択

運動時には適切な靴を選ぶことが大切です。踵にクッション性のある靴を選ぶことが重要です。また、靴を正しく履くことも重要です。

ストレッチ

足や下半身の筋肉をストレッチすることで、筋肉の柔軟性を保つことができ、踵の負担を減らすことで予防につながります。

栄養バランスの良い食生活

骨の健康にはカルシウムやビタミンDが重要です。バランスの良い食生活を心がけることが大切です。

適切な休養

運動や日常生活での負荷をかけた後は、適度な休息をとることが重要です。また、疲労がたまったり痛みが出た場合は、無理をせず休養を取ることが必要です。

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