O脚

bow legs

O脚

O脚とは?

O脚とは、両足をくっつけて真っ直ぐに立ったときに、両方の膝の内側がくっつかず、離れた足の状態です。脚が外側にカーブしてしまうことで立ったときに足がO字型に見える状態になるためにO脚と呼ばれています。。正常な脚は、膝と足首が一直線状になっていますが、O脚ではその状態が崩れ、、足首や股関節よりも膝が外側に位置したような姿勢となります。O脚は一般的に、女性に多く見られる特徴の一つですが、男性でもみられます。

O脚の主な症状は、脚の外見上の変化になります。。歩行時に内くるぶしがこすれたり、膝の内側が痛んだりすることがあります。また、O脚が進行すると、膝関節負担が増加し、痛みや変形を引き起こすことがあります。O脚によって膝の関節の内側に負担が強くなり、膝関節の痛みや変形のリスクが高まることもあります。また、O脚になると、歩き方も変化したしまい、他の関節の負担が増えることがあります。それにより、股関節の痛みや、足の変形(外反母趾など)の原因となる場合もあります。

但し、赤ちゃんのO脚は、生後1年から1歳6か月頃には改善することが多いため、通常はその時期まで様子を見ることが推奨されています。ただし、O脚の状態が重度である場合や、2歳以降、歩行が開始した後にも改善しない場合にはご相談ください

O脚の原因は?

O脚の原因は複数ありますが、主な原因は以下の通りです。

遺伝的要因

家族にO脚の人がいる場合、遺伝的要因によりO脚になりやすいとされています。

筋力不足

太ももの内側の筋肉や足首の筋肉が弱くなると、O脚になりやすくなります。

膝の変形

膝が変形することによってO脚になることがあります。

肥満

肥満になると、太ももの内側に脂肪がつき、O脚になりやすくなります。

靴の選択

かかとの低い靴を履くことによって、O脚になることがあります。

足の形状

足の形状が変わる、足のアライメントの異常から、O脚になることがあります。

症例

O脚の検査方法は、主に下肢の骨格構造を評価する方法と、関節可動域を評価する方法があります。

下肢の骨格構造を評価する方法としては、次のようなものがあります。

X線検査:下肢の骨の形態を評価します。

超音波検査:実際関節の変形がないか、関節液の貯留がないか調べることができます。

CT検査:より詳細な骨の評価ができます。

MRI検査:骨以外にも軟部組織の評価ができます。

関節可動域を評価する方法としては、次のようなものがあります。

歩行検査:膝を伸ばしたまま歩いてもらい、O脚が出ているかを観察します。

ジャンプテスト:立ったままジャンプし、着地時に膝の内側が接触するかどうかを観察します。

膝の可動域検査:膝の可動域を測定します。

O脚が進行した場合のリスク

O脚が進行すると、下肢の関節に異常な負荷がかかり、変形性関節症のリスクが高まります。また、脚の筋肉のバランスが崩れ、膝の内側や足首の外側などに痛みが出ることもあります。O脚が強い場合は、脚の変形が進み、外反母趾や扁平足などの足のトラブルを引き起こすことがあります。さらに、O脚が原因で転倒しやすくなることもあります。

O脚の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

運動療法:O脚の原因が筋力の低下による場合、運動療法によって脚の筋力を強化することが効果的です。例えば、ランニングやウォーキング、スクワット、踏み台昇降運動などが有効です。

当院では自費リハビリテーションによる治療を提供しています。

特殊な靴や装具:O脚の原因が足の形状による場合、特殊な医療用装具を使用することでO脚を改善することができます。例えば、膝を支える装具、足首を補強する装具などがあります。

薬物療法:O脚の原因が骨や関節の異常による場合、薬物療法が使用されることがあります。例えば、ビタミンDやカルシウムのサプリメント、骨密度を増やす薬物などが使用されます。

装具療法:関節や骨の負担を軽減する目的で医療用装具(インソール、短下肢装具)を作成して骨格異常を是正します。体重を支えるため硬度の高い(固い)装具が必要になります。

手術療法

O脚の場合、手術は最後の手段として考えられます。まずは、運動療法やリハビリテーションによる治療が行われます。

手術の場合、主に以下の2つの方法があります。

骨切り手術:大腿骨や脛骨の骨切りを行い、骨を回転させて脚の形を修正する方法です。骨を切るため、手術後はしばらくの間、体重をかけるのが困難な状態が続きます。

外科的アプローチを伴う内部固定手術:骨切りを行わずに、プレートや釘などの固定具を使って骨を支えることで、脚の形を修正する方法です。骨を切らないため、手術後の回復が早く、歩行も早期に可能となります。

リハビリテーションによる改善効果

O脚になる原因はさまざまです。そのため、リハビリテーションでは、歩行を中心に動作や姿勢、筋力、関節の柔軟性などを評価し、原因を見極めて行きます。そのうえで、主に、筋肉や関節の柔軟性、バランス能力、姿勢、歩き方など日常の動作の方法などを改善するトレーニングによってO脚の進行を予防したり、O脚にならないようにすることを目指します。

筋力トレーニング

ふとももの前の筋肉である「大腿四頭筋」と言われる筋肉は、膝を伸ばすだけでなく、膝の安定性を高める役割を持っています。そのため、この筋肉が弱くなると、O脚になりやすくなります。リハビリテーションでは、この大腿四頭筋を鍛えていきます。これに加えて、お尻の筋肉や、ふくらはぎの筋肉、体幹の筋肉など、姿勢を整えるのにも必要な筋肉をバランス良くトレーニングしていきます。

ストレッチング

関節の柔軟性もO脚の進行や発生に重要です。柔軟性が低くなると、歩行などの動き方が変わり膝の負担が大きくなる場合があります。そのため、膝関節はもちろんのこと、股関節や足首、足部の関節の柔軟性を改善することが大切です。

日常でできる予防対策

O脚を予防するためには、以下のような方法があります。

正しい姿勢を保つこと

正しい姿勢を維持することで、足の負担を軽減することができます。座るときや立つときには、背筋を伸ばして、膝を伸ばした状態で体重をかけるようにします。

適切な運動をすること

運動不足はO脚の原因になります。日常的にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れることで、足の筋肉を鍛えることは重要です。

靴の選び方に注意すること

ハイヒールや細いつま先の靴を履くことは、O脚を悪化させる原因となります。足にフィットする靴を選び、歩きやすい靴を選ぶことが重要です。

体重を管理すること

体重が過剰な場合、膝にかかる負担が大きくなります。適正な体重を維持することで、膝の負担を軽減することができます。

ストレッチ

足のストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を高めることができます。ストレッチは日常的に行い、足の筋肉を健康的に保つようにしましょう。

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