骨粗しょう症と骨折

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骨粗しょう症と骨折

骨粗しょう症と骨折とは?

骨粗しょう症とは、骨量や骨密度が減少し、骨が脆くなって骨折しやすくなる状態を指します。主に高齢者に多く見られますが、若年者にも発症する場合があります。女性に多く見られることから、女性更年期の際に起こることが多いとされています。骨粗しょう症には、骨形成不全型と骨吸収過多型があります。骨形成不全型は、骨を形成する細胞の機能が低下し、骨量が減少するタイプで、骨吸収過多型は、骨を吸収する細胞が異常に活発になり、骨量が減少するタイプです。

骨粗しょう症の症状には、以下があります。

身長の低下:骨が弱くなり、背骨が圧迫骨折することで身長が縮むことがあります。

腰痛:圧迫骨折が原因で腰痛が生じることがあります。

骨折の発生:骨が弱くなるため、骨折しやすくなります。

姿勢の変化:背骨が変形することで、姿勢が変わります。

足の痛み:足首や足の裏などに痛みを感じることがあります。

関節痛:骨粗しょう症の進行によって、関節が変形し、痛みを引き起こすことがあります。

肋骨骨折:肋骨が圧迫骨折することで、呼吸が困難になることがあります。

歯損傷:歯の支持する骨が弱くなり、歯が抜け落ちることがあります。

骨粗しょう症の原因は?

骨粗しょう症の原因は、骨形成細胞と骨吸収細胞の働きが不均衡になることにより、骨の形成が減少し、骨の吸収が増加するためです。女性ホルモンの低下や年齢、遺伝的な要因、喫煙やアルコールの過剰摂取、身体活動不足などがリスク因子として挙げられます。また、長期間のステロイド使用や抗てんかん薬の使用なども骨粗しょう症の原因となることがあります。

症例

骨粗しょう症の検査には、以下のものがあります。

骨密度測定:X線検査やDEXA(デンシトメトリー)などを用いて、骨の密度を測定する検査です。

血液検査:骨の代謝に関わる物質の濃度を調べることで、骨粗しょう症のリスクを評価することができます。

尿検査:尿中のカルシウムやクレアチニンなどの量を調べることで、骨の代謝状態を評価することができます。

骨生検:骨の一部を切り取って病理組織学的検査を行うことで、骨粗しょう症の原因や病変の程度を評価することができます。ただし、一般的には骨密度測定などの非侵襲的な検査で診断がつけられます。

骨粗しょう症が進行した場合のリスク

骨粗しょう症が進行すると、骨折や身体機能の低下などの合併症が起こるリスクがあります。特に、転倒による骨折のリスクが高くなります。また、身体機能が低下することで、日常生活の活動量が減少し、さらに骨量の減少を促進する悪循環に陥ることもあります。骨粗しょう症は、重度化すると身体機能の低下や死亡リスクの増加につながることが報告されています。

骨粗しょう症の治療方法

保存療法(手術しない治療法)

薬物療法:骨粗しょう症の治療には、骨密度を上げる薬物が使用されます。具体的には、ビスホスホネート、デノスマブ、テルミパラチドなどの薬物があります。内服する薬、注射する薬があり、毎日使用する薬もあれば、1年に1回の薬もあります。
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運動療法:骨粗しょう症の治療には、運動療法が有効です。運動により骨密度が上がり、骨の強度が増します。具体的には、ウォーキング、ランニング、スイミング、筋力トレーニングなどが効果的です。また転倒予防のための取り組みが重要になります。当院では自費リハビリテーションでの提供を行っています。

日光浴:日光浴をすることで体内でビタミンDを作ることが出来ます。ビタミンDがあるとカルシウムの吸収率が高まります。

転倒予防のための装具:転倒を予防するための目的で足関節を固定してバランスを向上させる機能をもつ医療用装具を提供して治療します。

栄養療法:骨粗しょう症の治療には、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が必要です。適切な栄養療法により、骨密度を上げることができます。

手術療法

骨折してしまった場合には手術が必要になることが多くあります。骨粗しょう症による骨折としては、橈骨遠位端骨折、大腿骨近位部骨折(大腿骨転子部骨折、大腿骨頚部骨折)、腰椎圧迫骨折、脆弱性骨盤骨折などがあります。

リハビリテーションによる改善効果

骨粗しょう症に対するリハビリテーションでは、歩行や軽い運動などにより骨に適切な負荷をかけて行くことで、骨が強くなることを狙って行います。
また、日常生活や運動中に転んでしまうことで、骨折が生じやすくなります。そのため、筋肉を鍛えるだけでなく、関節の柔軟性や、バランス機能を高める運動を組み合わせて行います。合わせて、歩行や、軽い運動などの方法や、適度な量などもお伝えしていくことで、適切に筋肉量や運動を増やしていき、骨粗しょう症の改善や、予防、骨折の予防を行います。

日常でできる予防対策

骨粗しょう症の予防方法には、以下のようなものがあります。

適度な運動

骨密度を上げるためには、適度な運動が必要です。ウォーキングやジョギング、ダンス、ヨガなどがおすすめです。

健康的な食生活

骨を強くするためには、カルシウムやビタミンDが必要です。カルシウムを多く含む食品には、乳製品、豆腐、小魚、海藻などがあります。ビタミンDを多く含む食品には、魚介類や卵黄などがあります。

禁煙・適量のアルコール摂取

タバコやアルコールの過剰摂取は、骨粗しょう症のリスクを高める要因になります。禁煙や適量のアルコール摂取が大切です。

十分な睡眠

十分な睡眠は、骨粗しょう症の予防につながります。睡眠不足は、ホルモンバランスを崩し、骨の再生を妨げるためです。

骨密度の測定

骨粗しょう症の早期発見には、骨密度の測定が有効です。骨密度測定は、X線や超音波検査などを用いて行われます。

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