足科とは、ここでは米国足病学(Podiatry)に基づく分野です。
整形外科とも形成外科とも異なります。日本では外反母趾や扁平足は整形外科、巻き爪・陥入爪、潰瘍は皮膚科・形成外科、血流障害は循環器科・血管外科、異常歩行は整形外科・神経内科などと細かく細分化されており、患者さんもどの科を受診すればよいのか、また症状によって複数の科を回っているのが現状です。足科では、その全てをみます。
特徴的なのは、歩行解析です。
これらは現状医学部ではほぼ浅くしか学ぶことがなく、リハビリテーションの中で理学療法士がみることはありますが、医師がみることは少なく、ほとんど介入できていないところです。
これを医師が確認し、レントゲンを読影し、さらに装具も自分たちでオーダーすることによって、適切な治療を提供することが可能になります。異常歩行があって、いくら歩く練習をしても歩行が改善されることはまずありません。どこの関節が柔らかいのか、硬いのか、どこの筋肉が弱いのか、強いのかなど問題のある筋肉・関節を一つ一つ改善しなければ異常歩行は治りません。
胼胝・鶏眼もこれまでただ削っていただけのものから根治できるものに変えることができます。
患者さんもこれまで時間を削って様々な科に通っていたのが足科の一人の医師と出会うことによって、治療を受けられ、さらにこれまで一生あるものだと思っていた痛みからも解放されます。これは、実際診療をしていても非常に感謝されることが多く、医師としてやりがいのあるものになります。