症例検討会について

症例検討会では、米国足病医と毎回「外反母趾」や「除圧」、「装具」、「Gait Analysis」などテーマを決めて、ディスカッションを行い、そのテーマに関連のある実症例を検討します。また、相談症例があればそこで提示してディスカッションを行っています。実症例を見ながら、議論できるのでイメージが湧きやすく、すぐに診療に役立てることが出来ます。

症例1:外反母趾

一般に外反母趾に対する整形外科での治療としては、保存療法ではインソールやストレッチ、手術療法では100通り以上あると言われています。

米国足病医でも同様に保存療法、手術療法がありますが、特徴的なのはまずなぜ外反母趾が起こったかを考えることです。よく日本ではハイヒールなど靴によって起こると言われていますが、外反母趾は男性にも起こります。足の形は遺伝要素もありますが、歩くから外反母趾になるのです。つまり、歩行から外反母趾になる原因を見つけるため、レントゲンだけでなく歩行動画も見た上で議論を行うことになります、その原因を改善しなければ、保存療法でも治療は難しくなり、手術療法でも再発のリスクがあがってしまいます。

保存療法の中でも、日本では見かけないグッズも無限にあり、インソールも自分たちで採型を行い、オーダーを行っていますが、arch heightを何mmにするか、ソフトマテリアルは必要なのかwedgeは必要かなどを学ぶことが出来ます。またストレッチでも外反母趾になった原因を見つけた上で、podiatryの観点からトレーニング内容を学ぶことが出来ます。手術療法でも、足病医の歴史は長く、術式の適応や実際の技術、またその後療法を学ぶことができます。

症例2:胼胝・鶏眼

外来に胼胝・鶏眼が来て、これまで整形外科医として診療をする中で削ったことはありませんでした。しかし、足病医として、これらを見ると削ることももちろんですが、圧異常が起こっており、これを改善するために何をすべきかという視点となりました。胼胝除去の技術一つにしてもこれまでフットケアで学んできたことのない内容が大半であり、これまでの診療とは全く異なったものにすることが出来ます。

症例3:巻き爪・陥入爪

これまでの診療の中で爪切りは数えるほどしか行ったことがありませんでした。巻き爪も患者さんが訴えてきたときは皮膚科の先生にコンサルトして皮膚科や形成外科の受診を促していました。何度かフェノール法による手術を見たことがありますが、教えてもらった陥入爪の手術とは全く異なるものでした。また、異常歩行による巻き爪・陥入爪にはインソールも有効であり、手術をしなくとも痛みがなく、長期的には爪の形が改善した方も多く診てきました。そのインソールもやはり歩行をみた上で、足の回内・回外、toe out,toe in,足の外転・内転などをみた上で、どの方向に足や趾を動かしたいかを考えながら作ることが出来るようになります。

その他、検討会での症例

扁平足 / 凹足 / 外反母趾 / 強剛母趾 / モートン病 / 疲労骨折 / 骨端症 / 足関節捻挫 / 足根洞症候群 / 足根管症候群 / 胼胝・鶏眼 / 潰瘍 / 歩行障害 / 屈趾症(ハンマートゥ、マレットトゥ、クロートゥ) / 巻き爪・陥入爪 / 尖足・下垂足 / 歩行障害

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