Foot Alignment

足部アライメント評価(ニュートラルポジション)

足部アライメント評価とは?

米国足病医が行う足部アライメント評価は、足の骨格や関節の状態、筋肉のバランスなどを評価することで、足の構造や機能に問題がある場合にそれを特定し、適切な治療方法を選択するために行われます。足部アライメント評価によって、足の歩行や姿勢に関する問題や痛みの原因を特定し、それに対する適切な治療法を提供することができます。また、アスリートや運動選手にとっては、足のアライメントがパフォーマンスに直結することもあるため、アスリートの評価や治療にも用いられます。

歩行評価・動的姿勢評価

歩行時における足の動きや姿勢を観察し、歩行時の動きに問題がないかどうかを評価します。足の捻じれやねじれ、かかとの着地の仕方、つま先の向きなどを評価します。また、歩行中の痛みや不快感を評価することもあります。
当院では歩行(歩容)解析として全ての初診患者で実施しています。

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静的姿勢評価

立位姿勢で足のアライメントを評価します。足の平衡が崩れていないか、脚の長さや太さに差異がないか、骨盤の傾斜が正常かどうかなどを評価します。
当院では荷重した状態(立位)でのレントゲン評価にて行います。

バランス評価

バランスの崩れやすさ、立ち上がりやすさ、立ち座りの姿勢、反射神経の機能などを評価します。当院では、立ち上がり検査や歩行解析とあわせて検査を行います。

足底圧評価

足の裏にかかる圧力を評価します。異常な圧力がある場合、骨格、筋、腱、靭帯などのバランスに問題がある場合があります。当院では初診にてフットプリントにて評価を行います。

筋力評価

足部の筋肉の強さ、柔軟性、運動制御力を評価します。特に、足底筋群の筋力を評価することが重要とされています。当院でもリハビリテーションを計画する患者様で評価を実施しています。

関節可動域評価

ROM(Range of Motion)という検査を実施をします。Range of Motion(ROM)検査は、足関節や足部における各関節の可動域を評価する検査のことです。患者がどの程度自由に足を動かせるかを評価することで、足の状態や機能について情報を得ることができます。検査の方法としては、関節を曲げたり伸ばしたりすることで可動域を測定する方法や、足を回転させることで関節可動域を測定します。日本のROMの検査では、動く範囲がどれくらいの角度かを計測しますが、米国足病医学では、関節の動きが歩行や足の変形にどのような影響を及ぼしているかを確認します。さらに、足部に存在する細かい多くの関節の可動性や安定性を確認し、荷重下レントゲンでのアライメント評価と照らし合わせて、足部変形や痛みの原因との関連を判定します。

ニュートラルポジションとは?

足部アライメントを評価する上で、米国足病医学ではニュートラルポジションという概念を非常に大事にしています。このポジションがわからない限り治療はできないという考えです。
ニュートラルポジションとは足の正しいアライメントを評価する際に使用される基準姿勢のことです。この姿勢は、足を水平にした状態で、足首の中立(足首を内外反させずに真っ直ぐに保つ)および第1中足骨の適切な位置を確認すると定義されます。

この姿勢ですが、立位で体重がかかるとほとんどの足の構造で崩れてしまいますので、評価は非荷重または半荷重など専門的な検査によってのみ判断が可能になります。

人によって関節の動ける範囲(可動域)は異なりますので、人それぞれ、足を水平にした状態で、足首の中立になる位置は変わりますし、立位や歩行をしているときはポジションがくずれますので、そういった検査から判定することはできません。

当院では足部アライメント評価によりニュートラルポジションを必ず割り出して治療計画を検討しています。

※昨今ではセンサーでニュートラルポジションに補正といったようなインソール作成業者がありますが、そのような判別ができる機器は現段階で販売されていませんので注意してください。

ニュートラルポジションは、基本的に関節がもつ可動性の中で、どの方向にも可動することが可能な位置であり、かつ、骨格の位置関係として、安定した荷重が望める位置といえます。足部には多くの関節が存在するため足部のニュートラルポジションは、非常に複雑です。

ニュートラルポジションの具体的な位置について

ニュートラルポジションを理解するために足部の動きを簡略化して考えてみます。

ここでは、3つの動きに限定して説明します。

1.足首の関節(距腿関節):つま先を上げたり、下げたりする動き

2.踵の関節(距骨下関節):踵が内側や外側に倒れるうごき

3.アーチの動き(ショパール関節・楔舟関節・リスフラン関節):アーチが低下したり、上昇したりする動き

この中で、1の動きは、歩行の中で地面を蹴ったり、つま先を上げて引っかからないようにしたり、足首が動いて体が前に移動したりする関節の動きです。

この関節におけるニュートラルポジションは、一般的には、足首が90度の位置と考えられます。この位置であれば、つま先を上げる方も下げる方も十分に可動範囲が得られて、かつ、関節としては安定した位置といえるため、ニュートラルポジションと言えます。

このように書くと、だれでもその位置に足首はあると思いがちですが、実は、外から見たときに、90度に見えても、足部の関節は、大変多くあり、複雑なので、足首が90度にならず、他の関節で代償していることがあります。この場合、足首の関節の位置はニュートラルポジションと言えない不安定かつ可動範囲が制限された位置にあることがあります。これらを確認するには、荷重下でのレントゲン撮影が必須になります。

2と3の関節のニュートラルポジションは、大変にむずかしいです。まずは、関節の役割を説明します。

踵の関節が動いて、踵が内側に倒れる動きとアーチが低下する動きは、正常な関節では連動して発生します。多くの関節が関わるため、一つ一つの位置を説明することは困難です。しかし、踵が内側に倒れる動きとアーチが低下する動きは、足の骨同士が離れて足が柔らかくなるための動きです。歩行のときに、足が地面について、衝撃を吸収するときに発生する動きです。逆に、踵が外側に倒れて、アーチが上昇する動きは、足の骨同士が結合してガッチリとかたまり、安定した状態を生み出します。

歩行の中では、足が体の後ろに行き、地面をけるときにこの状態になります。地面に力を伝えるために足が固まる必要があるということです。このように、踵の関節もアーチを構成する関節も、歩くときにはその場面の役割に応じて、傾いたり、上下したりしています。

これらの動きがどちらにも動きやすい位置で、かつ、踵の関節とアーチを構成する骨が安定して位置を保てるポジションがニュートラルポジションとなります。具体的には、踵の骨が、ほんの少しだけ(5°程度)内側にたおれている位置になります。この位置ですと、踵の骨の上に、距骨という骨があるのですが、この骨が安定して支えられますし、足首の関節も安定します。さらに、アーチの位置も上にも下にも移動できる位置で、骨の位置関係も安定したポジションになるといえます。

これらの関節のニュートラルポジションを検証するためには、足部のすべての関節の可動性や位置関係の検査、荷重下レントゲンでの確認が必要になります。

当院の足部アライメント評価(ニュートラルポジション)の特徴

1.米国足病医学に基づく足部アライメント評価

米国足病医学にて体系化された検査方法のみを利用して評価を行います。特殊な機器や日本でのみ発売されている評価機器は利用せず世界的に信頼のある評価方法のみで評価を行います。

2.全ての足病患者に初診で検査

水虫などの症状でご来院の方で初診問診時に希望されない方や、レントゲン検査などを希望されない方には実施ができませんので、希望される場合はご注意ください。

費用

原則、初診費用にふくまれます。
一部の動作解析や筋力検査については、自費の歩行(歩容)解析によっての検査になります。

詳細なレポートを必要とされる方は、自費の歩行(歩容)解析をお申込みください。

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